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コーヒーの達人への道  バックナンバー 2024年9月

2024年9月下旬号 No.524

“ スポーツの秋が来た! コーヒーを飲もう! ”

9月に入り半月が過ぎても、毎日暑い日が続いています。35度以上になる場所も多く、昨年に続いて今年も猛暑が続いています。さらに、台風も大型化し、各地で大きな被害が出ています。
先日の台風11号(ヤギという名前だそうです)は、ベトナムや中国、フィリピンに甚大な被害をもたらしました。 ベトナムでは地滑りや洪水で87人が死亡、70人が行方不明、負傷者は750人以上にのぼっているそうです。台風は7日にベトナム北部に上陸し、8日には熱帯低気圧に変わりましたが、コーヒー農園への被害も深刻なようです。

それでなくても、ブラジルの天候不順によるコーヒー減産が心配されている中、ロブスタ種のコーヒーに注目が集まり、価格が急上昇していました。そこにこの台風被害が重なり、供給がさらに不安視されています。 世界中では、これまで経験したことのない洪水や干ばつ、大型台風が相次いでいます。地球規模での気候変動に対応し、早急に対策を講じなければなりませんね。

さて、秋といえば「食欲の秋」「芸術の秋」といった言葉がありますが、「スポーツの秋」でもあります。みなさん、筋肉が大事だということはご存知ですよね。 筋肉量が多いと、体のバランスや代謝を維持するのに重要ですし、年齢を重ねても転倒リスクが減少します。また、疲れにくい体づくりや脳の活性化にも役立ち、認知症予防にもつながると言われています。

今年8月に発表された研究(「Frontiers in Nutrition」に掲載)によると、アメリカの8,300人以上の成人を対象に行った分析で、 毎日コーヒーを飲む人は飲まない人に比べて筋肉量が11〜13%多いことがわかったそうです。コーヒーの摂取が、サルコペニア(加齢による筋肉の減少)のリスクを低下させる可能性が示唆されています。 なお、これはカフェイン入りのコーヒーに限った結果で、ノンカフェインのものでは関連性が見られなかったとのことです。

ただし、コーヒーを飲むだけで筋肉量が増えるわけではなく、何らかの関連性があるという程度です。 登録栄養士のスコット・キートリー氏によると、カフェインの抗炎症作用や抗酸化作用が関係している可能性があり、炎症を抑えることで筋肉量の減少を防ぐのではないかと指摘しています。

また、コーヒーは損傷した細胞の排除や筋肉の維持に役立つ可能性があり、加齢による筋力の衰えを防ぐ効果も期待されています。 大切なのは、筋肉を増やすには良質なタンパク質を摂取し、適度な運動を行うことです。コーヒーを飲むだけで筋肉量が増えるわけではありません。

ですが、スポーツの秋に体を動かし、美味しいコーヒーを楽しむことで、筋肉量の増加や老化防止につながるかもしれません。これから涼しい日も増えてくるでしょう。 そんな時は、体を動かし、美味しいコーヒーを飲んで、健康的な毎日を過ごしましょう!

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2024年9月上旬号 No.523

“ アルツハイマー予防にブラックコーヒーを1日3杯! ”

動きが遅く、進路の予想がつかない大型台風が、各地に甚大な被害をもたらしています。皆様のご自宅は大丈夫でしたでしょうか? 収穫前のお米、果物などの農作物が、台風の雨風により甚大な被害が出ます。40度近い暑さも尋常ではありませんが、地球の環境が変わってきてしまっています。

以前もお話ししましたが、コーヒー2050年問題と言う、現在のコーヒーベルトで栽培しているコーヒー豆が気候変動の影響により半減してしまうという厳しい問題に直面しています。 これを回避すべく、色々な方策が考えられています。日本でも地熱などを利用しハウス内でコーヒー豆を栽培するといったことが報道されていますが、 栽培量としては趣味の段階を出ない世界のコーヒー豆栽培地から見れば、おままごとの様な量です。この問題を解決するには難しいものがあります。

そんな中、アメリカのスタートアップ企業がコーヒー豆を全く使わない代替コーヒーによるエスプレッソコーヒーを開発し、日本でも発売されました。 農業廃棄物を原料とし、緑茶から抽出したカフェインなどで香りを再現し、コーヒーに近づけているということです。 飲んだ記者の感想では、味は苦みもあり見た目の色や普通のエスプレッソと変わらないとのことです。

科学の進歩はコーヒーの葉からコーヒーを作るという話をしましたが他の物からコーヒーを作るようになったのですね。 ただ成分はどうなのでしょうか?今まで「コーヒーと健康」をテーマに、コーヒーに含まれるカフェインだけでなく、クロロゲン酸やトリゴネリン、カフェ酸等の効果を長い時間をかけて検証されてきました。 果たして、代替コーヒーをコーヒーと呼んでよいのか疑問です。

そんな中、カフェインが含まれているコーヒーを1日3杯以上飲む人は、アルツハイマー病になる確率が25%減るという研究結果が「米国栄養学雑誌(米国栄養学会発行)」に掲載されました。 イギリス在住の20万人を対象に、9年間にわって観察したデータに基づいて調査が行われたそうです。 この調査によると、コーヒーはブラックで飲むことが条件で、デカフェや砂糖を入れたコーヒーではこのようなリスクの低下は見られなかったそうです。

2050年には日本では730万人が認知症となり、その70%がアルツハイマー病だと言われています。 アルツハイマーには最近、「レカネマブ」という治療薬が承認されましたが、その進行抑制効果は18点満点で0.45点、100点満点に換算すると5〜6点なので、まだ大きいとは言えません。 それなら美味しいコーヒーをブラックで1日に3〜4杯飲んだ方がいいですね。

ブラックで飲むには美味しいコーヒーでなければ飲めません。香り高く美味しいコーヒーを焙煎したて、挽き立て、抽出したてで楽しんでください。そしていつまでも頭も体も健康に!!

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