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コーヒーの達人への道  バックナンバー 2012年 9月

2012年 9月下旬号  No.236

“秋こそお気に入りのコーヒーを探そう!”

9月も半ばというのにまだ真夏のような気温の日が続いています。
それでも朝晩は確実に涼しくなってきており、虫の音もツクツクボウシからコオロギに代わって来ました。

もう少しするとアイスよりホットのコーヒーが飲みたくなります。 最近は高級なコーヒー専門店ではコーヒーの抽出方法を選べる所が あるようです。ペーパードリップとか、ネルとかプレスなど、同じ豆 でも抽出方法によって味の違いがでて、毎日お気に入りのコーヒーを 飲んでもその味の変化を楽しめるという事です。
その日の気分によってネルにしたりプレスにしたり、楽しそうですね。

でもそれにはそれなりの価格が付いてきます。
雰囲気の良いお店でそのような抽出方法の違いを楽しむのもいいのです が、自宅ならもっと気軽に変化を楽しめます。

とはいっても少し条件があります。
勿論色々な抽出器具は必要です。これは案外持っているかもしれません。 コーヒーの大好きなあなたならペーパードリップだけではなく、 あれこれと器具を試しているかも知れませんから。

でもそれだけではちょっと足りません。
コーヒーミルが必要です
パーコレーダーやエスプレッソではないのだから中挽きのコーヒーを 用意すればいいのでは? と思っていませんか。

器具を変えるとその器具に合ったコーヒー豆の挽き具合にすることは 知っていますね。
一般的に粗挽き、中挽き、細挽きに分けられますが、実はその 中挽きでも器具によって微妙に粗さが違うのです。

中挽きにはペーパードリップ、ネルドリップ、サイフォン、 カフェプレス、電動コーヒーメーカーといったものがあげられますが 一番細かくていいのがペーパードリップ、次がサイフォン、 ネルドリップ、コーヒーメーカー、カフェプレスと少しずつ 粗くなります。

これはコーヒーの抽出液が下に落ちる速度や蒸らしの時間と密接に 関係しています。ペーパーよりネルの方が細かくてもいいような 気がしますが、粒子が細かいと実際には目詰まりを起こし、 ペーパーより少し粗い方が良い状態で抽出できます。

自宅でお好みのコーヒーを違った抽出器具で味の変化を楽しむのも ちょっといいと思いませんか。

忙しいとついいつもと同じ抽出方法になってしまいますが、棚の中で 眠っている、昔買った器具でお気に入りの味を探してみませんか?
澄み切った青い空の秋の日のコーヒータイムをちょっと楽しんで みましょう!

2012年 9月上旬号  No.235

“夏を越したホットコーヒーは?”

長かった夏休みもロンドンオリンピックや高校野球に声援を送っている間に終わってしまいましたね。

今年は恒例の台風も二百十日(今年は8月31日)本土直撃という事もなく、それぞれのお祭りや花火大会もつつがなく行われたようです。

この夏はやはり振り返ってみれば随分と暑い夏でした。
連日あちこちで熱中症で運ばれた人の事が話題となっていました。

この暑さはコーヒーにとっても一大事でした。
暑いのでついついアイスコーヒーを飲んでいて、ホット用のコーヒーは買ってそのままになっていませんか?

常温で夏越ししたコーヒーは酸化が極度に進んでおり、賞味期限内であっても味や香りがかなり劣化していて、飲むに堪えない状態のものが多いはずです。
飲まずに消臭剤などどして使った方が賢明です。
また、冷蔵庫にや冷凍庫で保管していたにしても、長い間に他の食品臭いが付いたり、何度も開け閉めする間に劣化したりしています。
早めに飲んでしまい、秋には焙煎したての香り高い美味しいコーヒーを飲みたいものです。

ホット用のコーヒーでもアイスとして飲むことが出来ます。
焙煎の深いものならよりよいです。アイス専用のコーヒーのような苦さは劣りますが、酸味や甘味があり、何といっても香りはホット用 ですからそれなりです。
抽出の色は若干薄いですが、秋用の軽いアイスコーヒーとしては充分飲める味です。

また、これから涼しくなってからのコーヒー豆の保存方法ですが、 勿論粉よりも豆のままの方がいいに決まっていますが、冷蔵庫や冷凍庫が優れているかというと一概には言えません。

コーヒー豆は焙煎直後から酸化という劣化が始まると言われています。
しかし、その後2週間ほどは旨味成分の熟成という過程に入り、常温で保管する間に香りや味に深みが出てきます。
これらの工程はは冷蔵庫や冷凍庫で保存すると熟成が抑えられて 進みません。
プロの職人さんは焙煎後72時間経ったものが一番美味しいといいます。 そのような意味から、コーヒー豆は焙煎したてのものを購入して、 2週間ほどは常温で保管し、その期間内に飲みきってしまうということ が美味しいコーヒーを頂く秘訣と言えます。
遅くとも3週間以内に消費しましょう。

また、常温で熟成する時にはガスが出ます。それをそのままにして おくとパッケージが膨らんで爆発してしまいます。
そのために、パッケージには小さな穴が開いています。
その穴がタダの穴ですと、そこから空気が入り込んで酸化が進みます。
その点、コーヒーメールのコーヒーは保存に便利な 100gの少量パック、しかも穴はいつも新鮮な状態を保てるよう 窒素充填の特殊な素材を使い、内部からのガスは逃しますが、 外からの空気はシャットアウトします。

そろそろ秋の夜長を楽しむ季節に入ります。
今年の中秋の名月は9月30日。
その頃にはきっとホットコーヒーが美味しくなっていることと思います。