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コーヒーの達人への道  バックナンバー 2021年03月

2021年03月下旬号 No.440

“ コーヒーのかすの処理 ”

今週末には春分の日がやってきます。お彼岸ですね。
昔から暑さ寒さも彼岸までという言葉があるように寒い冬から解放されて、本格的な春がやってきます。

東北の三陸沖地震から10年たちました。まだまだ復興も道半ばという状況のようで、特に福島の原発事故は予定通りに処理がすすんでいない ようで近隣に住んでいらした方は先が見えない状態とのことです。
なんとか一日でも早く以前の生活が戻ってくるように祈るばかりですが新型コロナウィルスの感染状況も下げ止まりで、しかも変異種も各地で 報告され、何時になったらこちらも元通りの生活が出来るのかと明るい春がやってきたとは言うものの心から喜べない日々です。

未知のウィルスも北極の永久凍土が溶けることによって出現する可能性も指摘されていて、今回の新型コロナウィルスだけでなく他にも色々と心配なことが起こってくるかもしれません。

原発で出た核のゴミ処理にスウェーデンでは再処理せずに地下500mの結晶質岩中に埋め込む作業を行い2070年までかかって埋めるそうですが、放射能の心配がなくなるまでに10,000年ほどはかかるそうです。

プラスティックごみのマイクロチップの海洋汚染も問題になっています。
何とかごみを出さないように生活したいですね。
そんな中でコーヒーを抽出した出し殻であるコーヒーかすも毎日世界中で大変な量が出ています。

いままで、消臭剤としてトイレや靴箱にとか、灰皿にとか植木鉢に撒いて虫よけなどにしたり、海外でもキノコの栽培の菌床とか染色に使ったりとか、繊維を利用して紙コップにしたりとか色々と処理方法についてお話してきました。
勿論大手のコーヒー会社が肥料にするということもありました。

先日のネットのニュースでは障害者の方々が喫茶店を回ってコーヒーのカスと焙煎したときに除いた欠点豆を集め、それを愛媛県の処理工場に送って鶏糞と混ぜて肥料を作ることに役立てているということでした。
鶏糞だけの肥料はどうしても匂いが気になりますが、コーヒーと混ぜることによって匂いの問題も解決し、コーヒーかす自体は窒素分を沢山含んでいるのでよりよい肥料になるのだそうです。

この事業は障害者の自立のお手伝いにもなり、喫茶店にとってはコーヒーかすのゴミの処理も楽になるという利点があります
このような事業が世界規模で行われれば、コーヒー産地の農園に肥料を提供できるのではないかと思うのですが、やはり化学肥料を使った方が経費的にも安いのでしょうか。
地球全体で考えると何とかリサイクルを心がけたいと思います。

コーヒーかすが肥料になるという話でコーヒーかすをそのまま土や植木鉢に撒く方がいらっしゃるかもしれませんが、これはナメクジ等の虫を寄せ付けないためということ以外ではお勧めしません。
勿論このような場合もしっかりと乾かしてから行っていただきたいのですが、ともすれば湿気でカビが生えて悪い結果になってしまします。

コーヒーかすを個人で肥料にしたい場合はぼかし肥料や糠などと混ぜて一度発酵処理をしたうえで使ってください。
ついそのまま庭に撒けば肥料になるだろうとコーヒーかすを庭に捨ててはいけません。
どうしても発酵処理が面倒というのであれば、しっかりと大量の土と混ぜ込んで、直接地面に出ないように埋めたうえで使って下さい。
コロナ禍で家庭でコーヒーを抽出して飲まれる方が多くなったそうですし、またベランダでの家庭菜園を始める方も多くなったそうです。
これから気候も良くなるので、ますますベランダ菜園も熱が入って来るのかもしれません。
そんな時にコーヒーかすを撒くといいらしいという話を聞いてプランターにコーヒーかすを捨てたりしないようにご注意ください。

でも、ご自宅で美味しいコーヒーを手間をかけてドリップして飲むということ自体はとても素敵なことです。
そんな時やっぱりコーヒーは美味しいコーヒーを飲みたいですよね。

2021年03月上旬号 No.439

“ コーヒーの抽出器具 ”

もう3月寒い日が少なくなり、朝日が昇るのも随分と早くなりました。

3日は雛祭りですね。最近は昔のような淡い色合いのコメ菓子、菱餅を模倣した粟おこしなどもすっかり姿を消しました。
今の子供たちはいろいろな美味しいスナック菓子があるのでこのようなお菓子は食べないのでしょうね。

昨今の住宅事情もあって昔風の7段飾りは少なくなり、女雛、男雛の一対を飾る家庭が多いようです。
乳幼児の死亡率が高かった昔、生まれた子供が健やかに育って欲しいとの願いを込めて、災いを人形に移してしまいたいとの思いで枕元に飾っていたようです。もちろん平安時代から人形遊びとして貴族たちに楽しまれていたものからの進化もあります。

白酒や散らし寿司、ハマグリの吸い物などが定番ですが、やはり現代には美味しいコーヒーも仲間入りさせていただきたいと思います。

お雛祭りの甘いお菓子にもぴったりです。
コーヒーの抽出には全自動の抽出器やカフェバッグが便利ですが、こだわりのご家庭ではペーパーフィルターでのハンドドリップやサイフォン、凝り性の方はネルドリップの方もいらっしゃるでしょうか。

最近はポッドタイプの製品がたくさん出回っていてカスの後始末がとても便利になりました。
とは言っても、やはり焙煎したてのコーヒーを挽いてむくむくと盛り上がった泡を見ながら、コーヒーの香りが立ち上るのは至福の時ではないでしょうか。

そんな中、愛知県の常滑焼の釉薬を使わないで作られた、コーヒー抽出用の急須が販売されました。

急須でコーヒーを抽出と思いますが、抽出用に作られた専用の急須だそうで、粉は中〜粗びきでステンレスメッシュの網で濾すそうです。紙のフィルターと違って、コーヒーの油分を吸収しないので旨味が残りコーヒー本来のうまみが味わえるそうです。

急須から直接カップに注いで飲めるそうなので、ドリッパーやフィルターも不要なのが利点とのこと。
フィルターは取り外して洗うことが出来るので何度でも使用可能。

外観も素敵な急須ですが、お値段も手作りだけにそれなりにします。
興味のある方は焼締コーヒー急須ソロ(メーカー:一心窯)で検索してみてください。

これと同じような抽出方法にコーヒープレスがあります。
紅茶にも使えますが、現在でもこの方法でコーヒーを抽出している喫茶店もあるようです。

やはり同じように油分が残り、よりうまみのあるコーヒーが出せるとのことでした。
どちらも一緒とは思いますが、コーヒーかすの処理がちょっと面倒かも知れません。
それが面倒なのでポッドのコーヒーが人気なのでもありますから。
とは言っても、美味しいコーヒーのためならそんなことは気にしないという方もいるかな?

シンクの排水口用の製品も進化を遂げて、今は排水口のバスケットにかぶせるタイプのメッシュの袋がお手頃価格で売られています。
バスケットにこれを設置しておけばコーヒーの出し殻もしっかり受け止めて排水口に流さないように出来ます。
紅茶の細かい葉も勿論キャッチします。

このような製品を使えばそのまま流しても大丈夫ですね。
コーヒーをどのように抽出するのかはその方の思いでもあります。
ともかくも毎日美味しくコーヒーを飲んで健康な日々を過ごすことが大事ですね。
コロナ禍で外出も遠慮がちの毎日。美味しいコーヒーを飲んで、好きな音楽を聴いたり、本を読んだりするいい機会と思い前向きに今の状況を捉えていきたいですね。