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コーヒーの達人への道 バックナンバー 2026年9月
2026年9月上旬号 No.570
“ コーヒー生産時の廃棄物からカカオ豆の代替品できる ”熊本地震の影響も心配される中、千葉県では猛烈な豪雨による被害が報告され、その最中に今度は金沢、富山、福井でも大雨に見舞われました。 その一方で、福岡あたりではほとんど雨が降らないという状況も起きています。 これまでとは明らかに違う気象現象が各地で起きていることを考えると、やはり地球環境は少しずつ、そして確実に変化しているのかもしれません。 先月10日にコロンビアで発生したマグニチュード7.4の地震も、大きな被害をもたらしました。 コーヒーの主要輸出港であるブエナベントゥラ港への輸送ルートが一時混乱し、港のオペレーションにも支障がでました。 しかしながら、輸送ルートを変更するなどの対応が取られ、現在ではコーヒーの輸出そのものはほぼ正常化しているとのことです。 ただ、コーヒー生産地への影響も少なくありません。約10,500のコーヒー生産農家が何らかの被害を受け、約8,000世帯で住宅やコーヒーの加工施設などに被害が報告されています。 ただ、FNC(コロンビア全国コーヒー生産者連盟)によると、地震そのものによってコーヒーの生産能力が大幅に失われたわけではないとのことです。 今後の生産量については、「エルニーニョ」による天候不順の影響も懸念されています。FNCは2026年のコーヒー生産量について、2025年の約1,370万袋から約1,250万袋へ、8%程度減少すると予想しています。 この見通しは、これまで続いた過剰な降雨が、生産量減少の主な原因とされています。コロンビアのコーヒー生産にも、ここまで降雨の影響が出ていることには驚かされます。 地球規模で見ると、干ばつや豪雨による河川の氾濫など、異常気象が各地で発生しています。先日はネパールでも氷河の崩落による大規模な土石流が発生し、多くの方が行方不明となり、死者も出ているとのことです。 以前から取り上げている「コーヒー2050年問題」も、いよいよ現実的な問題になってきているように感じます。 さて、そんな中、興味深いニュースがありました。 ■コーヒーの廃棄物から「チョコレート」が生まれる? ブラジルのフードテック企業「セルヴァ社」が、コーヒーの精製時に大量に発生するコーヒーの殻をアップサイクルし、チョコレートの代替となる素材を開発したそうです。 これは、廃棄物の削減とカカオの供給問題という、2つの社会課題を同時に解決しようとする取り組みとして注目されています。 コーヒーを生産するときには、コーヒーの実から外側の殻や果肉などを取り除き、種子であるコーヒー豆を取り出します。 外側の殻や果肉は「コーヒーハスク」と呼ばれ副産物として残ります。 その重量は、取り出したコーヒー豆の1~1.5倍ほどにもなるといわれ、これまでは十分に利用されないまま廃棄されることも多かったそうです。 一方、チョコレートの原料となるカカオも、気候変動の影響を受けています。 カカオの主要生産地である西アフリカでは、異常気象や病害虫の発生などによってカカオ豆の供給不足が起こり、世界的なチョコレート価格の高騰につながっています。 そこでセルヴァ社は、この2つの問題に着目。 バイオテクノロジーと食品工学を組み合わせ、これまで廃棄されていたコーヒーハスクから、チョコレートの代替となる素材を生み出すことに挑戦しました。 もともとコーヒー豆とカカオ豆は、植物として風味や香りの面で共通する部分が多いそうです。 そこで、コーヒーハスクから特定の風味成分を抽出し、カカオ特有の風味を再現。カカオ豆のような濃厚で甘く、キャラメルを思わせる芳醇な風味を持つ代替カカオ原料「コーヒーコア」の開発に成功したとのことです。 この「コーヒーコア」は、チョコレートだけでなく、洋菓子や飲料、機能性食品など、幅広い分野での利用が期待されています。さらに興味深いのは、環境面だけではありません。 従来のチョコレート原料と比較して脂質が抑えられているだけでなく、腸内環境を整える働きが期待される食物繊維も含まれているそうです。 また、コーヒーに含まれるクロロゲン酸やフェノール化合物など、抗酸化・抗炎症作用が期待される成分も含まれているとのこと。 これまで捨てられていたコーヒーハスクを原料として活用することで、コーヒー農家にとっては新たな収入源となり、廃棄にかかる費用の削減にもつながります。 食品メーカーにとっても、環境負荷を抑えながら新しい「代替カカオ原料」を安定的に調達できる可能性があります。コーヒーを生産するときに出る「廃棄物」から、チョコレートのような食品が生まれるとは――。 まさに科学と技術の進歩には驚かされますね。 気候変動によってコーヒーやカカオの生産が難しくなる一方で、これまで捨てられていたものに新しい価値を与える技術も生まれています。 コーヒーもココアも、私たちの暮らしをちょっと豊かにしてくれる美味しい飲み物です。これからも、そんな美味しいものを大切に楽しみながら、地球環境についても少し考えていきたいですね。 美味しいコーヒーはこちらからお求め下さい。
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