長期、好評連載中メールマガジン「コーヒーの達人への道」のバックナンバーです。
コーヒーの達人への道 バックナンバー 2024年12月
2024年12月下旬号 No.530
“ あなたの傍にコーヒーを ”今年も残り半月となりました。今年は元旦に発生した能登地震に始まり、豪雨や台風などの自然災害、ウクライナとロシアの紛争、パレスチナとイスラエルの対立、 さらにはシリアのアサド政権崩壊や韓国での非常戒厳令と激動の一年でした。
新型コロナがようやく収束し、普段通りの生活が戻りつつある矢先、色々な困難が押し寄せました。しかし、明るい話題もありました。 ドジャースの大谷選手が大活躍し、ノーベル平和賞に被団協が選ばれたことは、世界に核兵器の恐ろしさを伝える大きな一歩となりました。
今年はコーヒーにとっても試練の年でした。前回もお知らせしましたが、特にブラジルとベトナムの異常気象の影響で先物市場が高騰、大手メーカーも値上げや減量量といった対応を余儀なくされています。 さらに、コーヒー価格高騰の背景には、中国の急激な需要拡大があります。 最近の報告では、中国のコーヒー関連商品の輸入額が過去最高を記録し、コーヒーショップは5万店を超えてアメリカを抜き、世界最多になりました。
この1年でコーヒーを飲む人が急増し、かつて飲んだことのまかった人々が日常的にコーヒーを楽しむようになっています。 生活水準の向上や欧米化が進む中国では、来年のコーヒー市場は20兆円規模になると予測されています。 中国の人口規模を考えると、コーヒー市場への影響は波及しそうです。 中国の蒸留酒を使ったカフェラテが発売日の1日で20億円を売り上げたというニュースもありその消費力に驚かされます。
このような国際的な競争の中、日本はコーヒー争奪戦にどう挑むのでしょうか。 仮にコーヒー豆を確保できたとしても、価格は高騰し、昨今の円安の影響も相まって、気軽にコーヒーを楽しむことが難しくなるかも知れません。
そこで提案したいのは「ウチ(家)カフェ」です。コーヒーの価格が上がっても、豆を購入して、自宅で抽出すれば、外で飲むよりはるかにお得です。 自分の好きな豆を選べますし、コーヒーを淹れるのは決して難しくありません。
もちろん、喫茶店でのコーヒータイムも大切です。疲れたとき、待ち合わせ、友人や取引先との話し合いなど、喫茶店は特別な場所として欠かせません。
来年も、さまざまな場面でコーヒーが皆さまの傍にあり続けることを願っています。そして、そのコーヒーは香り高く、美味しいコーヒーでありますように。今年1年間ご購読頂きありがとうございました。
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2024年12月上旬号 No.529
“ コーヒー価格の行方 ”今年も残りわずかとなり、皆さまにとってどのような一年だったでしょうか? 例年にない暑さの夏や、冬らしからぬ暖かい気候、超大型の台風など、今年も自然界での異変が多く報じられた一年でした。
コーヒー産業にも気候変動の影響の影響がでています。「2050年には世界のコーヒー生産量が半減する」とされる2050問題が広く知られるようになっていますが、その影響は既に顕在化しています。
たとえば、ロブスタ種の主要生産地であるベトナムでは、生育期に干ばつ、収穫期初期に豪雨が襲い、供給に不安が生じています。 一方、アラビカ種の主要生産国であるブラジルは深刻な干ばつに直面し、供給不安がさらに高まっています。 アマゾン川の干上がった映像をニュースで目にした方も多いと思います。ブラジルの干ばつによる収穫量の激減は、世界のコーヒー市場に大きな影響を及ぼしています。
ニューヨーク市場では、11月27日に高級品種アラビカ種の生豆価格が一時1ポンド=3.1845ドルに上昇し、1977年以来の高値を記録しました。 ロンドン市場でもロブスタ種の価格が年初来で約85%も上昇しています。
このような状況下、高騰するコーヒー価格への対応として大手メーカーでは再三の値上げや内容量の減少といった対策を取っていますが、これ以上の対策が難しいのが現状です。 美味しいコーヒーをできるだけ多くの方に楽しんでいただきたいという願いは変わりませんが、生豆価格の高騰による値上げにご理解いただけるか、不安もあります。
価格高騰の影響で、ココアやミルクを使ったアレンジも厳しい状況ですが、旬の国産レモンを使ったコーヒーはいかがでしょう?現在、国産レモンは収穫期を迎え、一年で最も手ごろな価格で手に入ります。
【レモンコーヒーの作り方】
1.マグカップに深煎りの熱々のコーヒーを注ぐ
2.レモンの厚切りを浮かべる
3.砂糖は加えず、そのまま飲む
酸味と香りが爽やかで、シャキッとした飲み口が特徴です。仕事を頑張りたい朝や、気分をリフレッシュしたい時にぴったりな一杯。 まさに「寝覚めのコーヒー」としておすすめです!ぜひ試してみてください。コーヒーの新たな楽しみ方が広がるかもしれません!
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