長期、好評連載中メールマガジン「コーヒーの達人への道」のバックナンバーです。
コーヒーの達人への道 バックナンバー 2012年7月
2012年 7月下旬号 No.232
“トリゴネリン・・・・・知ってますか?”
今年の夏は節電、節電と政府から掛け声がかかっていますが、いまだに梅雨明けはなく、各地で記録的な豪雨続きです。
被害に合われた地方の方にはお見舞い申し上げます。
報道によればエルニーニョの影響で冷夏になるかもしれないとか。クーラーはなるべく使いたくないのですが、夏の強い日差しに遭うとクラクラ、ボーッとなってしまいますね。
先日の新聞によると帽子がとても効果的だとか。昔は男性もけっこう帽子をかぶっていましたが、最近は野球少年か農作業をしている人か本当に少なくなりました。女性は帽子をかぶるだけでなく傘をさしたり手袋をしたりと日焼け対策に大変ですが。
節電とはいっても老人や病気の方、乳幼児などはどうしても必要です。歳を取ると発汗がしにくくなり、体温の調節能力が低下するそうです。
特に認知症やアルツハイマーの方には深刻な事態をも招きかねません。皆さんも出来たらこのような病には罹りたくありませんね。
コーヒーには認知症やアルツハイマーの進行を遅らせる働きがあるという事をご存知ですか?
コーヒーの成分にの中のトリゴネリンという物質が脳神経細胞の軸索や樹状突起が伸びてシナプスが形成されるのに役立っているということが富山医科薬科大学の服部征雄教授の研究によって解ったそうです。特に生豆と浅煎りの豆で効果が高かったそうですが、普通に飲むコーヒーでも大丈夫。しっかり含まれていますから。
トリゴネリンはエジプトのマメ科の植物「コロハ」の種から発見された物質で、アミノ酸の1種です。コーヒーにはこのトリゴネリンがコロハより多量に含まれていることが分かりました。
この他にもカフェインが脳内で連鎖反応を刺激していたり、抗酸化物質が脳を健全に保つ働きをしていると考えられています。1日にコーヒー3〜4杯の飲用が効果的でそれより多くても効果がよりよくなるという事はないそうですから、1日に3杯ほど飲むとよいようです。
トリゴネリン以外に効果があるのはハーブのローズマリーとレモンの精油を合わせた物を嗅ぐことだそうです。
でもコーヒーを1日に3杯飲む方が美味しいし、嬉しいですね。コーヒーを飲んで認知症にならないようにしましょう!!
冷たいコーヒーで暑い夏を乗り切り健康に過ごしましょう!!
2012年7月上旬号 No.231
“水出しアイスコーヒーは何故すっきり味?”
7月に入り、いよいよ節電も本格的に取り組まなければならない時期になりました。
家じゅうの電球をすぐにLED電球に替えるのは大変ですが、必要のない場所や時間ではこまめにスイッチを切るという事が大切ですね。自分で出来る節電は心して行いたいものですね。
そういった意味では水出しアイスコーヒーは熱源を使わない、とてもエコなアイスコーヒーの抽出方法です。すっきりした味わいのアイスコーヒーはとても飲みやすい味です。
どうしてすっきりした美味しさになるのでしょうか。
コーヒーを加熱して抽出する時の味の変化を調べた結果によると加熱直後から風味や芳香等の良質な成分がどんどん溶けだし、すぐに抽出のピークがきます。 また、それ以外の渋味や苦味の成分はゆっくりと長い時間にわたって抽出されます。そのため両方の成分がうまく調和した時に抽出を終えると美味しいコーヒーの出来上がるというわけです。
コーヒーとお茶はカフェインを含んだ飲み物としてよく比較されますが、美味しい味をテアニンはアミノ酸成分で玉露、抹茶などに多く含まれていて、お茶の甘味や旨味を形成します。
テアニンの自然の甘味は低い温度で抽出されるので、玉露は60度の低温度で入れて下さいと注意書きがありますね。
このことからもコーヒーの旨味や甘味も低い温度で抽出されるということが分かると思います。
これ以外の渋味や苦味はカテキンという成分が担っていて、緑茶では煎茶や番茶に多く含まれています。
カテキンは根で作られたテアニンが葉の部分に送られて太陽の光に当たって変化したものです。
(元はカテキンもテアニンも一緒です。)玉露や抹茶用のお茶を栽培する時に上部を寒冷紗で覆って太陽の光を遮るのはテアニンをカテキンに変化させないためです。
コーヒーの粉は緑茶よりも硬いので緑茶ほどの低温での抽出では苦味や渋味の成分が溶け出しにくいのですが、低い温度で抽出することにによりテアニンの美味しい成分が充分に溶け出しているので水出しコーヒーはとても美味しいのです。
でもいつまでもコーヒー液の中にコーヒーの粉を入れたままにしておくとジワリジワリと雑味の成分が溶け出してくるので、8時間が経過したら必ず容器から取り出して下さい。
美味しいアイスコーヒーを飲んで節電の夏を元気に過ごしましょう。