コーヒーの達人への道　　バックナンバー 2009年10月

秋も深まり、すっかり涼しくなりました。今年は初冠雪の便りも早いようです。 秋といえば芸術の秋。今回は少しアカデミックに行きましょう。
コーヒーと音楽というとコーヒールンバのようなラテン系のリズムが想像されると思いますが、 クラシックの世界にもコーヒーの音楽があるのです。

コーヒーカンタータです。名前は聞いたことがあると思います。このコーヒーカンタータはバッハの作曲による非宗教的な カンタータの211番目として作られました。コーヒー好きのバッハは、ライプティッヒの行きつけのコーヒーハウスで このカンタータを学生などに歌わせました。

コーヒーの大好きな娘とそれをやめさせたい父親との駆け引きが歌になっています。 このカンタータはフレデリック大王がコーヒー禁止令を発令したことに対する抗議の意味で作られたといわれていましたが、 実際はこのカンタータが作曲されたのは1732年です。コーヒー禁止令は1777年ですからこの禁止令より45年も前のこと。 直接の関係はないようです。
その歌の内容というと父親はシュレドリアン、娘はリーシェンで

娘：リーシェン
ああ、何とコーヒーの美味しいこと
1000回のキスより素敵
マスカットのあ酒より甘いわ
コーヒー！コーヒーはやめられない
私に何かを下さるというのなら
私の大好きなコーヒーをお願い！

父：シュレドリアン
コーヒーを止めないのなら結婚式をさせない、外出も禁止だ！

娘：リーシェン
ええ、いいわ！
でもコーヒーは止められない！

といった内容なのだそうです。
今から270年も前にこんなコーヒー好きの娘がいたなんて嬉しい限りです。ちなみにこの頃の日本はというと、 暴れん坊将軍で有名な吉宗が江戸城で大活躍だった時代です。
その後４０年ほど後の1776年7月4日にやっとアメリカ合衆国が独立宣言をしたのですから、ヨーロッパのコーヒーの歴史は古いですね。

戦国武将ブームだそうですから、久しぶりに歴史書でも紐解いて秋の夜長を格調高く過ごしてみませんか。 そして、香り豊かなコーヒーは秋の夜長をより一層意義深い時間にしてくれます。

10月に入りすっかり秋らしくなって来ました。今年は学校などでの秋の恒例の行事である文化祭や体育祭 も新型インフルエンザの影響を受けて様変わりのようです。
中止になったり、規模を縮小したり、入場者を関係者に制限したりと限られた空間に多くの人が集うのは、 感染の拡大につながり厳しいものがあるようです。

この冬の流行に向けて新聞やテレビなどのマスコミも特集を組んで対策方法を伝えていますが、 やはり基本は帰宅時の手洗い、うがいが大事ですね。また、発熱時は他の人に感染させないために外出を控えることですね。
そして、体力ある健康な状態を維持し、疲れを溜めない規則正しい生活とバランスの良い食事が大切ですね。

ストレスや疲れは早めに取り除きましょう。体や脳のリフレッシュはコーヒーが役に立ちます。 カフェインやクロロゲン酸の効用については以前にお話しした通りです。

秋の入り口は一年で一番コーヒーの美味しさを知る季節です。この時期に合わせて日本では10月1日をコーヒーの日と定めて 数々のイベントを行っています。前日の9月30日夕方からは慶応義塾大、立教大、上智大のミスキャンパス候補が集まって イベントに参加してコーヒー普及のために一役買ってくれました。

そして、今日1日はコーヒーの特売をしたり割引セールをしたりプレゼントをしたりといろいろな行事が行われています。 また、1日だけのセールではなく、１週間程度の期間行っている所もあります。 ぜひこの機会を利用して、秋の日の美味しいコーヒーを楽しんで頂きたいと思います。

ところでどうして10月1日がコーヒーの日なのでしょう。
国際コーヒー協定では世界の主たる消費国32カ国と生産国45カ国が各種の協定を結んでいますが、 その年度が10月1日から翌年の9月30日までとなっていることによります。また、主要生産国の統計も10月1日から9月30日までが 1年の区切りです。
コーヒーが美味しく感じられる秋にコーヒーのよさを皆さんに味わって頂こうとという理由からでもあります。

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