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コーヒーの達人への道  バックナンバー 2020年10月

2020年10月下旬号 No.430

“ 秋の夜長はコーヒーを飲みながら!! ”

 10月1日のコーヒーの日にはコーヒーを楽しまれましたでしょうか?
色々なイベントが行われていたので素敵なプレゼントをゲットした方もいたかもしれませんね。
台風が近づいてきたのと同時に気温がかなり下がり、11月中旬位の気温になったところもありました。
そして、台風通過後にはまた30度近い夏のような気温になり、体調管理が難しいですね。

温まりたいな―と思った時にはホットコーヒーをお忘れなく! カップを両手で包み込むだけでもホッとします。

今月はもう一度31日にお月見が出来ますね。2日にお月見をされた方もすっきりと澄んだ満月を観ながら今年の今までを振り返るというのもいいかもしれません。
しかもこの日はハロウィンでもあります。
最近はお月見よりハロウィンの方が子供たちに人気があるようで仮装した子供たちをよく見かけます。

以前はスポーツの秋、芸術の秋、読書の秋、そして食欲の秋と言われて来ましたが、コロナ禍の今はどれも厳しい状況にあるようです。

ご自宅でゆっくりコーヒーを入れて、読書を楽しむ時間のゆとりが人生の栄養になるのではないかと思うのですが。

コーヒーのカフェインが気になって夜はコーヒーが飲めないとか、妊娠中、授乳中でコーヒーを飲めない方に今はカフェインレスのコーヒーが手に入ります。

このカフェインレスのコーヒーは、1905年ドイツで焙煎業の見習いをしていた青年が航海中に、海水をかぶってしまったコーヒーの塩分を抜く方法を考案していた時に偶然カフェインも抜けてしまったということだそうです。

その後彼はカフェイン除去の特許を取得し、高額でカフェイン抜きのコーヒーを「Kaffee HAG」という会社を立ち上げ販売したそうです。
1930年代に自然回帰の健康ブームの中でカフェインの入っていないコーヒー「Kaffee HAG」も人気になり、アメリカにも輸出されるようになったそうです。

また、このコーヒーはナチス・ドイツの健康・衛生政策に取り込まれドイツ人の健康を保護するという国策によって「Kaffee HAG」 が積極的にナチス・ドイツに提供され、1936年のナチ党大会では4万2000人分のコーヒーがヒトラーユーゲントメンバーに配布されたそうです。

当時のカフェインレスコーヒーは除去する工程で使われているベンゼンが残っていて多量にのむと害を及ぼす可能性もあったそうです。
そんな歴史の中、今は一般的になっているカフェインレスコーヒー
。 今のカフェインレスカフェインの入っているコーヒーと遜色のないくらいに味香りともによくなっています。

カフェインの気になる方には勿論カフェインレスのコーヒー
もあります。


2020年10月上旬号 No.429

“ クラシック音楽を聴きながらコーヒーを飲もう!! ”

 今日はコーヒーの日です。コーヒー豆の販売店や喫茶店などでは色々なコーヒーの日にちなんだ催しが行われます。全日本コーヒー 商工組合連合会では色々なプレゼントが用意されています。
また、各地の喫茶店でも特別な企画を用意して、コーヒーを皆さんに美味しく飲んでいただけるようお待ちしています。

9月下旬になってから急に涼しくなりました。それまでの暑さが嘘のような朝晩の冷え具合です。ホットコーヒーも美味しく感じる時期になりましたね。

先日のNHKのEテレの番組「クラシカロイド」でベートーヴェンがコーヒーの豆の数に拘って、いつになってもコーヒーを飲むことができない光景を滑稽に描いていました。
最後にベートーヴェンがコーヒーの豆の数に拘ったことは本当のことですとコメントされていました。
番組内でベートーヴェンが数えていたのは60個とのことでした。

マルティン・ヒュルリマンという人が「ベートーヴェン訪問」という本の中で彼は新式のガラス製コーヒー沸かしで1杯につき60粒の コーヒー豆を数えてコーヒーを淹れ、朝食はコーヒーだけで済ませていたという記述があるそうです。
生前のベートーヴェンを訪ねてその印象を文章に残した人が沢山いて、その文章から彼の日常生活や人物像を捉えているものを集約してヒュルリマンは1冊の本にしたそうです。

オペラ「魔弾の射手」や「舞踏への勧誘」の作曲者ウェーバーがベートーヴェンを訪ねた時の彼の部屋の光景では、 中は乱雑を極め、床には楽譜やお金や衣類が散乱し、汚れたベットには洗濯物が山と積まれ、開けたままのフリューゲル(ピアノ)にはほこりが積もっていてテーブルには壊れたコーヒー沸かしがのっていたとあるそうです。
ベートーヴェンがウィーンに住んでいたころにはすでにコーヒーは広く一般に飲まれていたようです。

1683年にオスマン・トルコ軍がウィーンに攻め入った時に、ポーランドの国王ソビエスキが援軍として駆け付けトルコ軍を撃退したときに トルコ軍が多くのコーヒー豆の入った袋を置いたまま敗退して、それをウィーンの人たちが飲んだのがヨーロッパにおけるコーヒーのはじまりですから、1792年〜1827年にウィーンに住んでいた彼は100年以上も後になりますから、すでにコーヒーは一般の人々の飲み物として浸透していたものと思われます。

ちなみにウィーンの森の北端のカーレンベルグの丘の頂上に小さな教会があり、それはソビエスキ王を記念して建てられたものだそうです。

今でもウィーンはコーヒーの町として有名で、美味しいコーヒーを提供する店がたくさんありますね。

ベートーヴェンが数えた60粒のコーヒーは、どんな味のコーヒーを飲んでいたのか気になるところです。

過ごしやすい秋にクラシック音楽を聴きながら美味しいコーヒーを飲みませんか?