長期、好評連載中メールマガジン「コーヒーの達人への道」のバックナンバーです。
コーヒーの達人への道 バックナンバー 2020年5月
2020年 5月下旬号 No.420
“ そろそろ水出しコーヒーを!! ”日本国民皆様の協力のもと、緊急事態宣言が一部の地域を除いて解除されました。
まだまだ予断は許されませんが、一応外出は許可されたということでしょうか。学校も順次再開される見通しで入学式すらできなかった新入生の皆さんもやっと新しい級友にお目にかかれることと思います。
とはいっても、気の緩みは再流行の危険をはらんでいますから、そろりそろりと状況を見極めながらのスタートになります。
ヨーロッパや中国、韓国、日本などは収束こそしていませんが自粛生活を解除する方向にありますが、まだこれから感染が拡大する可能性のある中南米やアフリカなどは医療設備の不足など心配なことが山積しており、これらの地域の新型コロナウィルスの収束はいつになるのか見通しが立たないのではないかと心配しています。
前回お知らせしたように中南米ではコーヒー豆の収穫の時期を迎え各生産者は収穫作業をする労働者の確保が心配になっています。
最大の生産国であるブラジルと3位のコロンビアではこの時期にペルーとエクアドルからの出稼ぎ労働者に収穫を依存していて、労働者の確保が出来なければ、収穫の時期を一か月遅らせるとか、十分でない防護用品の不足から感染者が出てしまった場合には収穫作業をしばらく中止しなければならず、適切な時期に収穫ができない可能性があるとのことです。
収穫後の選別作業やトラックでの輸送に従事する労働者の確保。また都市部と農園を結ぶ輸送による感染の拡大など、一年で一番人手の必要なこの時期のコーヒーの収穫には心配な要件が山積しています。
ヨーロッパなどの主要なコーヒーの消費国での活動の再開に合わせコーヒーの消費も今まで通りになるのでしょうが、今後の産地での収穫の状況からは目が離せません。
このロックダウン状態で世界中色々な買い占め現象が出ています。
日本やアメリカでのトイレットペーパーはすでに解消されましたが、メキシコではコロナビールが、アフガニスタンでは紅茶が、フランスでは小麦粉やイースト菌がブルガリアでは免疫力を高めると言われているショウガとレモンが買い占めにより品薄になったそうです。
変わったところではオーストラリアでは隣との垣根に成長の早い植物や庭に植える植物がホームセンターからなくなったとか。
日本でも巣ごもり状態なので、おうちでの家飲みコーヒーを楽しんでいる方も多いかと思いますが、幸い焙煎したての美味しいコーヒーはネットで購入可能です。
そして、ちょっと暑さを感じるようになったので、水出しのアイスコーヒーを冷蔵庫に準備しておきましょう。
水出し用のアイスコーヒーパックを容器に入れ水を注いで一晩おけばすっきりした味わいの美味しいアイスコーヒーが簡単に作れます。
今日は暑くなったので冷たい飲み物が欲しい!!
そんな時にぴったりです!
2020年 5月上旬号 No.419
“ こんな時こそハンドドリップ! ”全国に緊急事態宣言が出され、外出の自粛が呼びかけられたままゴールデンウィークに入ってしまいました。
さらなるテレワークの推奨や観光地への旅行の自粛など、毎日、毎日新型コロナのことばかりです。
全国民に10万円の支給や、休業要請に応じた企業への支援金とか政府は色々と出来ることから頑張って何とかしようという状態なのでしょう。
大多数の方はその要請に応じて、静かに自宅で一刻も早くこの困難が過ぎ去ってくれるよう我慢をしている状態だと思います。
でも、この状態は昔ペストやスペイン風邪が全世界に流行し多くの方が亡くなった厳しい時代と同じようにいつかは終わりを迎えるでしょうし、人類はそれを克服してきました。
その流行がそれ以前と後とに大きな変化を起こしたといわれています。
今回もすでに学校の始業時期を9月に変更して世界標準にしたらという意見もありますし、大きなオフィスを抱えて毎日大勢の方が通勤というスタイルを見直し、仕事や会議はPCを使ったテレワークで行い、さらには出張も減らせるのではないかと様々な変化が想定されています。
しかしながらどうしても遠隔で行うことができず、人間の手によってしなければならないものもあります。
かなり機械化されている部分もありますが、コーヒー豆の収穫作業もこれにあたります。
特にスペシャルティーコーヒーなどは完熟した良い豆のみを人間の目で確かめ摘み取りをしなくてはならず、収穫期には多くの人の手を必要とします。
世界中に蔓延してしまった新型コロナウィルスは中南米のコーヒーの産地にも等しく感染者を作り、摘み手不足や国境の閉鎖や輸送手段の停止などで収穫期を迎えたコーヒーの産地では困った事態になっています。
ICOの発表によれば19/20年度の世界のコーヒー生産量は1億6868万袋に対し消費量は1億6934万袋となっていて消費量が生産量を上回るとの予測が出されていましたが、この新型コロナウィルスの世界的な流行で生産、消費ともにかなり落ち込むのではないかとみられています。
主にロブスタ種を生産する世界第2の生産国となったベトナムはすでに収穫を終えており、生産量そのものには影響がないとみられていますがこれから収穫期を迎えるコロンビアやブラジルのコーヒー豆については収穫に従事する労働者の不足により生産量が減少する可能性があります。
これからの動きには注目していかなければと思います。
さて、ご自宅で過ごすことが多くなったこの連休ですが、ご家族でコーヒーをゆっくりと味わってみては如何でしょうか。
いつもは忙しくてミルを使ってコーヒーを挽いている時間が無いという方も、落ち着いて静かにコーヒーミルを回すと一時の気分転換になるのではないでしょうか。
しかも、挽き立ての香り高いコーヒーをゆっくりとハンドドリップで入れるという贅沢。
この時期だからこそ味わえる特別なコーヒーと思って心を込めて抽出すればきっと美味しい至福の1杯になること間違いなしです。
先日のテレビで放送していましたが、ご家庭でちょっと喫茶店の気分を味わう方法として、自家製のメニューを作り様々な飲み物をリストアップし(今あるコーヒー、紅茶、ウーロン茶、ジュース等)それぞれの アレンジ(カフェオレ、アメリカン、レモンティー、ミルクティー等)をいかにも喫茶店風のメニューを手作りし、家族で楽しんで飲むということでした。
小学生や中学生のお子さんがいればメニュー作りを任せるのもいいかもしれません。外出にとてもいい時期なのに自宅にいなければならないのはつらいことかもしれませんが、つらいつまらないと否定的に捉えずに、このようにどうしたらこのような状況を楽しいものに変えられるかを考えたほうがずーと楽に過ごせるのではないでしょうか。
「何事も気の持ちよう」とは良く言ったものです。
いつかは収束の時が来ます。気持ちを明るく持って過ごしましょう!
もちろん三密を避け、マスク、うがい、手洗いを忘れずに!
ミルでコーヒーを挽くときにはもちろん新鮮なコーヒーが必要です!
ハンドドリップの時にむくむくと盛り上がらないコーヒーではパフォーマンスの効果が台無しになってしまいますからね。