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コーヒーの達人への道  バックナンバー 2019年 9月

2019年 9月下旬号 No.404

“ SCAJ スペシャルティコーヒー イベント 開催 ”

先日の台風15号は首都圏を直撃し、JRは計画運休のお知らせを出していたにもかかわらず、大混乱となりました。
影響を受けた方もいらっしゃることと思います。
また、千葉県では大変な被害がでていて電気や水道が止まっているだけではなく、電話や携帯電話も通じない状況下で援助の要請すら難しい状況だったようです。

被災された方には心よりお見舞い申し上げます。
それにしても風速50m以上という風はどんな風だったか?
テレビでの報道では送電の鉄塔が倒れたり、コンクリートの電柱が折れたり、家の屋根がすべて吹き飛ばされたりと、そのすさまじさにびっくりしました。

まだ以前のように戻るにはちょっと時間がかかりそうですが、被災された地域にはボランティアの助けが必要と思われます。
昔から二百十日、二百二十日は台風に要注意と言われてきましたが本当にその通りです。

その台風が過ぎた後での開催で関係者はほっとしたと思いますが日本での最大のコーヒーイベント
World Specialty Coffee Conference and Exhibition 2019
が9月11日〜13日に東京ビッグサイト西3・4ホールで開催されました。
これには世界各国のコーヒー産地から自慢のコーヒーの出品のほか焙煎や包装などの最新の機械や器具の紹介などもあり、コーヒーに携わっている業界の方々だけでなく、一般のコーヒー好きの方も来場されます。

最新のコーヒー事情についての専門家や産地からの生産者などのセミナーもたくさん用意されており、たくさんの方々が熱心に講演を聞いているものと思います。

また、このイベントで人気の SCAJ2019競技会も開催され
ジャパン バリスタ チャンピオンシップ
一番の花形で、エスプレッソ、ミルクビバレッジ、シグネチャービバレッジの3種類のドリンクを4杯ずつ作成してその味やそれを作成するまでの動作、作品の見栄えなどが審査されます。

ここで優勝された方はアメリカで行われる国際大会に出場することが出来、世界的なバリスタとしての登竜門となります。

他にもジャパン コーヒー イン グッドスピリッツ チャンピオンシップ これはスピリッツ(アルコール飲料)を使用したオリジナルのドリンクとアイリッシュコーヒーの作成を競うもので、やはりそのスキルと作品のプレゼンテーションの能力が試されます。

サイフォンでの抽出の技も競技になっていて、ジャパン サイフォニスト チャンピオンシップもあります。
こちらはサイフォンでの抽出の作業の手際の良さや動作の美しさ勿論その味も対象で、こちらの優勝者は2020年中国のお茶の名産地プーアル市で行われるワールドサイフォニストチャンピオンシップに日本代表として派遣されます。

そして、ジャパンブリューワーズカップは手出しのコーヒーの抽出技術を競うもので、共通の焙煎豆、ミル、水を使用してその味、香りを競うものと、それとは別に各自が用意した豆を使いその豆の特徴などをプレゼンテーションするというものです。こちらは競技者が様々な器具や独自の抽出方法で抽出するのを見学するのも楽しいと思います。

そして利き酒と同じ ジャパン カップテイスターズ チャンピオンシップ があり、こちらは産地の異なる豆をいかに早く正確に判断するかというもので、大変な神経の集中力が試されます。
正確さ以外に早さを競うということで正確さのために時間をかけていてはいけませんしかといって早く判断して間違っていてはなんにもなりません。

他にもローストをチームで競う競技もあり、コーヒー好きの方には見逃せないイベントです。
これが配信される頃には優勝者も決まり、SCAJのホームページでの発表もあると思います。

美味しいコーヒー片手に皆さんの健闘ぶりをネットで観るのもいいかもしれません。

2019年 9月上旬号 No.403

“ コーヒーの飲用動向調査から ”

朝晩が少し涼しくなり、ちょっとだけ過ごしやすくなりました。
とは言えまだまだ暑い日もあります。
暑さ寒さも彼岸までの言葉通りとすると、今月中旬には暑さが収まり秋の気候になっていくはずです。
ちょっと涼しくなるとやはりホットコーヒーが良くなります。
今はまだ暑さが勝っているので、冷たい飲み物がいいのですがだんだんと温かな飲み物が欲しくなります。

今盛んに若い人たちに飲まれているタピオカミルクティーはいつまで続くのでしょうか?寒くなっても行列して冷たい飲み物を飲むのでしょうか?
かなりカロリーが高い飲み物とのことですので、食べ物がおいしくなる秋にはウエストと体重が心配ですね。

その点コーヒーはホットでもアイスでも飲めるし、しかも脂肪燃焼サポートの効果もあり、ダイエットにも貢献しそうです。

最近はコーヒーにミルクや砂糖を入れないで飲む方が多いようです。
以前は砂糖もミルクもたっぷりと入れて飲むという方が多かったのですが、コーヒーもスペシャルティコーヒーが普及し、苦いだけのコーヒーが少なくなってブラックで飲んでも十分おいしいと感じる上質のコーヒーが飲まれるようになってきたからと思われます。
コーヒーをブラックで飲む人の割合は1998年には27%でしたが2018年には47.2%もの方がブラックで飲むそうです。

産地の農園でも量よりも質を重視した栽培と収穫に重点を置き高品質のコーヒーを高価な価格で売るという形になってきています。

コーヒーの農園も地球温暖化の影響を受けて、だんだんとその栽培の適地が、変化してきていて、今の産地は栽培に適さなくなるとの報告もあります。
そんな中、コーヒー価格の低迷からコーヒー以外の作物に転作する農家も出ているとの報告もあり、今後のコーヒーの生産も心配です。

また、今までコーヒーをあまり飲まなかった生産地の人々(外貨を稼ぐコーヒーは輸出に回していた)が生活が豊かになるにつれ国内でコーヒーを一般的に飲むようになってきたことや、成長目覚ましい中国でのコーヒーショップチェーンの大規模な展開などでコーヒーの需要が大きくなってきています。

世界中で毎日たくさん飲まれているコーヒーはますます飲まれるようになるでしょうし、日本でもコンビニで手軽にレギュラーコーヒーが低価格で販売され缶コーヒーからレギュラーコーヒーへと替わって来ています。
レギュラーコーヒーを飲む割合は2008年では69%でしたが2018年では74.5%に上昇しており、缶コーヒーについては2008年度は63.8%だったものが、58%に下がっています。
只25〜59歳の男性は缶コーヒーを飲む割合が他の世代よりも多いのですが、やはり2016年と比べると2018年の割合の方が減っています。
60歳以上の男性に限っていうとコーヒーそのものを飲む割合がかなり減っており、代わりに何を飲んでいるのかな?と思います。
もしかしてアルコール?

とは言え家庭でも美味しいコーヒーを飲む傾向になってきています。
年配の方はまだまだインスタントコーヒーを飲んでいる方も多いようです。レギュラーコーヒーとインスタントコーヒーとの割合はほぼ同じくらいですが、高齢の女性に限ってはインスタントの方がレギュラーコーヒーより多く飲まれています。
年代別にみると25〜39歳までの男女共にレギュラーコーヒーを飲む割合は40〜59歳までの男女と比べると半分程度です。

25〜39歳までの女性が最もコーヒーを飲む量が少ない傾向ですがレギュラーコーヒーに限ってみると1週間当たり2016年では2.64杯だったものが2018年には3.05杯と伸びているので、若い女性も喫茶店やコンビニでコーヒーを飲むことが多くなっているのかもしれません。

このような女性が将来美味しいレギュラーコーヒーを飲む世代になってくれるといいのですが。
おしゃれ感覚で紅茶やタピオカドリンクを飲んでいる皆さんがコーヒーの本当の美味しさに目覚めてくださることを願っています。