長期、好評連載中メールマガジン「コーヒーの達人への道」のバックナンバーです。
コーヒーの達人への道 バックナンバー 2023年9月
2023年9月下旬号 No.500
“ 秋の朝はコーヒーで気分すっきり! ”暑さ寒さも彼岸まで。日中の日差しはまだ暑いのものの、朝晩は少しずつ涼しくなりました。
ハワイの火事、モロッコの地震、リビアの洪水、日本各地でも豪雨の被害。 毎日のテレビの画面に映し出される困難な状況下にいる方々に心が痛みます。世界的な天候異変は温暖化が要因と言われています。
ただ、自分の日常生活と繋がらない方にとって、環境問題は頭で理解していても、個々で取り組むにはよほどの気持ちがないと難しいのかもしれません。
喫茶店・カフェをはじめ外食店では、環境配慮の理由からストローやカップをプラスチックから紙にする動きが活発になっています。 しかしながら、最近のニュースによると、紙ストロー、紙コップも処理に問題があるようです。
なぜなら、紙ストロー、紙コップも水分が染み出ないようにビニール状のもので内側をコーティングしていおり、これが思いの外、環境に負荷となっているそうです。紙にしたから環境問題はクリアーではない。 なかなか、難しい問題です。
さて、本題に入ります。朝晩が涼しくなり、朝の目覚めが気持ち良くなってきました。 朝コーヒーを飲むと気分がすっきりします。喫茶店でモーニングを頂く方や、通勤途中にコーヒーを片手に持って歩いている光景を見ることもあります。
朝コーヒーを飲むとなぜすっきりするのでしょうか?
もちろんご存じの通りカフェインによる効果です。カフェインには緊張や興奮をもたらす交感神経を刺激する働きがあります。 そのためカフェインの覚醒効果により目覚めがよりはっきりするのです。ただカフェインだけではありません。
コーヒーに含まれる香り成分の「ジドロベンゾフラン」は、脳の中の「セロトニン」と呼ばれる物質に似た働きをします。 「セロトニン」というのは「幸せ物質」と呼ばれていて、「楽しい」、「充実している」などポジティブな感情を生み出すと言われています。
セロトニンは睡眠にも深く関わっており、一日の内で量が変化するそうです。 日中の活動している時間帯では多く分泌され、夜になるとその量は少なくなり、「メラトニン」という眠りを誘う物質に変化するそうです。 明け方になると脳内の「セロトニン」の量が増え、目覚めを感じるのだそう。
そのことから、コーヒーの成分の「ジドロベンゾフラン」の働きによってより朝の目覚めがより進むという事です。 朝の1杯のコーヒー。やはり必要ですね! 日中はまだ暑いのでアイスコーヒーが美味しく感じられますが、朝のコーヒーはそろそろホットにしてもいいかもしれません。
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2023年9月上旬号 No.499
“ コーヒーかす活用法の決定打?! ”夏休みも終わり、それぞれの仕事や学校に戻る日がやってきました。 今年の夏休みはいかがでしたでしょうか?
何年かぶりの花火大会を楽しんだ方もいらっしゃることと思います。 花火大会が行われる場所は案外と道が舗装されていなかったり、夜で足元が暗かったりするため事故には気を付けたいですね。
そういえば、コーヒと道路の舗装に関する記事がありました。 オーストラリアにあるロイヤルメルボルン工科大学の研究チームが、使用済みのコーヒーの出がらし(以下、コーヒーグラウンズ)を使うことで、コンクリートの強度を30%向上させる技術を開発したと発表しました。
オーストラリアは毎年75,000トンものコーヒーグラウンズを排出しており、そのほとんどを埋め立て処分しているとのこと。 世界全体で見るとコーヒーグラウンズは年間1,000万トンもゴミとして排出されているそうです。
こうした有機廃棄物の処理は、気候変動の原因となるメタンや二酸化炭素などの温室効果ガスを大量に排出するため、環境問題にもなっています。
色々な企業がコーヒーグラウンズの活用方法として、Tシャツや靴の染色に使ったり、レザーの代用品にして財布やバッグを作ったり、 あるいは他の素材と混ぜてインテリア製品を作る、肥料にする、などいろいろが考えられてきました。しかしながら、どれも決定的な利用法は考えられていません。
今回のオーストラリアの大学の研究では、コーヒーグラウンズを無酸素状態で350℃の高温で炭化させ、炭にするそうです。 コーヒーグラウンズ75,000トンから22,500トンのバイオ炭を作ることができます。 コンクリートを作るときに混ぜる砂の15%をコーヒーバイオ炭にすると、コンクリートの強度が29.3%向上したとのことです。
コンクリートを作るために世界中で500億トンもの砂が川などから採取されていて、環境にも大きな影響が懸念されているそうです。 このように大量にしかも環境に貢献する形でのコーヒーグラウンズの再利用は歓迎ですね。とは言え、設備の問題やそもそもコーヒーグラウンズの回収をどうするかなど難しい問題があります。
今しばらくはご家庭で飲むコーヒーの出がらしは乾燥させて消臭剤に使ったり、腐葉土と混ぜて肥料にしましょう。
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